深夜アニメの枠で突如として現れた本作。最初は「どうせケモナー向けの日常系だろ?」と高を括って観始めた自分を全力で殴りに行きたい。主人公のタクシードライバー・小戸川が乗せるのは、一癖も二癖もある訳ありな乗客たち。会話劇が中心の淡々とした物語かと思いきや、中盤から一気に加速するミステリー要素の密度が異常すぎる。

本作の真骨頂は、何気ない日常の断片が、終盤にかけて完璧なパズルのように組み合わさっていくカタルシスにある。一見無関係に見えた伏線が、ラスト一話で一点に収束する瞬間、脳のシナプスが焼き切れるかのような快感を覚えた。「あの時のセリフはそういう意味だったのか!」という気づきの連続で、一度観終わると絶対に二周目が必須になる構造は、もはや一つの「儀式」と言っても過言ではない。

特に、現代社会の歪みやSNSの闇、承認欲求に踊らされる若者のリアルが、可愛らしい動物キャラの皮を被ることで逆にエグみを持って突き刺さる。決して救いがあるとは言えない部分もあるが、それ以上に「伏線を回収しきった美しさ」が勝る。脚本の構成力という観点において、近年のアニメ作品の中でも間違いなくトップクラスの到達点。まだ観ていない人は、ネタバレを食らう前に今すぐ視聴を開始してほしい。この衝撃を「初見」で味わえる特権を、どうか無駄にしないでくれ。