湯浅政明監督の最高傑作、未だにこれを超えるアニメに出会えていない。最初は「また京都の大学生がグダグダ悩んでるだけのやつか」とタカをくくって観始めたんだが、気づけば画面の中の「私」と自分を重ねて、言葉の弾丸を全身に浴びていた。何と言っても最大の特徴は、あの異常なまでの早口で展開される独白だ。最初は耳が追いつかないほどの情報量に脳がオーバーヒートしそうになるが、中盤からそのスピード感こそが「やり直せるかもしれない」という青臭い焦燥感そのものだと気づかされる。

主人公が選ばなかったはずの無数のキャンパスライフが、並行世界のように重なり合いながら収束していくカタルシスは異常。ありふれた日常に潜む「もしあの時こうしていれば」という後悔を、これでもかと煮詰めて結晶化させたような物語だ。結局、僕たちが掴んでいる日常こそが、実は無限の選択の果てに手にした唯一の「薔薇色のキャンパスライフ」なのかもしれない。そう思わせてくれるラストの爽快感といったら、もう言葉では言い表せない。日常が少しだけ色づいて見えるようになる、極上の体験だ。まだ観ていないやつは今すぐ観ろ。そして自分の四畳半に引きこもって、人生という名の平行世界を突き進んでほしい。これは単なるアニメじゃない、人生の解像度を強制的に引き上げる「装置」だ。