最初は「どうせまた芸能界の闇を描いたエンタメ系漫画でしょ?」と軽く読み始めたんだ。SNSでの中傷やゴシップ、業界のドロドロした裏側を描いた作品なんて今さら珍しくもないし、まあ暇つぶしにはなるだろうと思っていた。ところがどっこい、1巻のラストで完全に殴り飛ばされた。あれはもう漫画の域を超えている。ただの復讐劇という枠組みの中に、現代人が抱える「承認欲求の亡霊」や「嘘と真実の境界線」がこれでもかというほど残酷に、そして鮮やかに描かれているんだ。
物語が進むにつれて明らかになるのは、主役たちの復讐がいかに歪で、同時にどれほど純粋な愛に基づいているかという矛盾だ。特に芸能界という「嘘が武器になる世界」で、彼らがどれだけ自分自身を騙し、心を殺しながらスポットライトを浴び続けているかを考えると、もう胸が締め付けられて直視できない。アイという存在が遺した光と影が、物語の終盤にかけてどう収束していくのか。ページをめくる指が止まらないどころか、読み終えた後には自分の価値観が粉々に粉砕されて、しばらく虚無感に襲われる。かつてアイドルという存在をただの偶像だと思っていた自分が恥ずかしい。これは、現代という狂ったステージで踊らされる全ての「役者」たちに向けた、血の通った鎮魂歌(レクイエム)だ。まだ読んでいない奴は、今すぐ全巻揃えて感情の墓場へ行く覚悟をしろ。これは一生忘れられない傷になる。