死んで、やり直す。たったそれだけのシンプルなループなのに、本作『Celeste』がプレイヤーに突きつけてくる体験は、もはや単なる高難易度アクションの域を超越している。ドット絵で描かれた美麗な山頂を目指す少女マデリンの旅路は、そのまま「自分の内側に潜む影」との戦いに他ならない。初見では「無理ゲーだろこれ」とコントローラーを投げたくなるような尖ったステージデザインも、不思議なことに何度失敗しても再挑戦を拒ませない絶妙なリズムとテンポがある。

特に凄いのは、このゲームが「失敗」を否定しない点だ。キャラクターが死ぬたびに積み重なるリトライ回数は、恥ずべき記録ではなく、貴方が「諦めなかった証」として画面の端に残り続ける。操作性は極めて精密で、プレイヤーの意思を1ピクセル単位でキャラに反映させる心地よさがある。ダッシュを駆使して空中を駆け抜けるあの浮遊感は、他のどんなゲームでも味わえない唯一無二の体験だ。物語が進むにつれ、自分の弱さを認め、それを受け入れて前に進むというプロセスが、プレイしている自分の人生観とリンクしてくる瞬間がたまらない。ただのピクセルアートの山登りが、なぜここまで心に突き刺さるのか。クリアした直後、画面の向こう側のマデリンとハイタッチを交わしたくなるような、とてつもない充足感が全身を駆け抜けるはずだ。未プレイの全人類は、今すぐ山に登るべき。