完結からしばらく経った今、改めて『ダンジョン飯』を全巻イッキ読みしてみたんだが、マジで凄まじいことになっていた。初読時には「モンスターを調理する」という斬新なギミックにばかり目を奪われていたけれど、二度目に読むと全ての描写が、後の展開やキャラクターの心情に繋がる完璧なパズルだったことに気づかされる。九井諒子という作家の脳内はどうなっているんだ?
特にライオスの独善的にも見える執着が、最終的にあの結末を導き出すための必然であったと分かった時のカタルシスといったら。ただの「美味しそうな料理漫画」という皮を被りながら、その内側には種族間の壁、生と死の倫理、そして人間とは何かという極めて哲学的なテーマがぎっしり詰まっている。改めて読み返すと、序盤の何気ない会話が数巻後の絶望的な展開を予見させていたりと、構成の密度が異次元すぎる。世界観の構築レベルがもはや歴史書を読んでいるような気分にさせてくれるんだよな。読み終わった後、ただ「面白かった」では収まらない、静かな感動と確かな充足感が押し寄せてくる。このクオリティで最後まで描ききったという事実だけでも、漫画界における偉業だと言い切りたい。