最初はただの『ブレス オブ ザ ワイルド』の延長戦だとタカを括っていた。空に浮かぶ島々を眺め、変わらぬ大地を駆ける……そのはずだった。しかし「ウルトラハンド」という名の神の指先を手にした瞬間、私の常識は崩壊した。落ちている木材と扇風機を適当に繋ぎ合わせ、物理演算という名の神聖なルールに抗い始めたとき、気づいてしまったのだ。このゲームは攻略するものではなく、世界そのものを自分好みに「再構築」する道具なのだと。
それからは地獄だった。地上の祠を解くために用意された正規ルートなど一度も通っていない。自作の空飛ぶ円盤で上空から強襲し、ゾナウギアを過剰に積み上げた戦車で魔物を蹂躙する。空を見上げればそこに広がるのは移動可能なパズルであり、深穴に飛び込めば闇に支配された広大な地底が、未知のテリトリーとして私を待っている。かつて冒険した場所が、全く別の顔をして私の知性を試してくる。一歩進むたびに「こうすれば行けるのでは?」という工学的興奮が脳内で暴れ回り、気づけば夜通しで自律型ロボットの試作機を組み上げている自分がいた。
もう戻れない。現実世界の不自由な移動手段や、何の機能も持たないそこらの廃材を見るたびに、スクラビルドしたいという衝動に駆られる。この世界に存在するあらゆる物質に「意味」を見出してしまうのだ。風を切って空を飛ぶあの高揚感と、知恵を振り絞って完成させた奇妙な乗り物が敵を圧倒するカタルシス。かつてのハイラルを知っているはずなのに、全く別の未開の地を歩いているようなこの感覚。あまりにも自由すぎて、自由であること自体が最大の罠であるという、この甘美な罪深さにすっかり心を奪われてしまった。
現実の構造物が全部素材に見える病気これな