最初はただのファンタジーだと思っていたんだ。可愛いキャラが遺物を探す、少し毒のある日常系アニメか何かだろうって。でも、深界四層に足を踏み入れたあたりから様子がおかしくなった。いや、それ以前の二層からして、既に観測者の精神を蝕む悪意が満ちていたんだ。この作品は、可愛らしい絵柄という皮を被った「剥き出しの生存本能」を叩きつけてくる。深淵へ降りることは、人間性という名の贅沢品を一つずつ脱ぎ捨てていく行為に他ならない。上昇負荷という名の理不尽な身体破壊描写を目にした時、私の脳内では何かが弾けた。痛みは情報になり、絶望は美学に変換される。今や、日常のありふれた景色を見るたびに、その深淵の底に何があるのかを知りたくてたまらないという、強烈な禁断症状に苛まれているんだ。奈落の深さを想像するだけで、心臓の鼓動が早くなる。これは冒険じゃない、魂を削って深淵と対話するための、終わりのない巡礼だ。原生生物の生態を調べている時、自分が人間であることを忘れてしまいそうになる。このどうしようもない吸引力から逃れる術を、私はもう知らない。愛すべき狂気。これこそが、私たちが深淵に選ばれた理由なのかもしれない。