宝石の国、正直最初は宝石たちが戦うだけのスタイリッシュなアクションアニメだと思ってたんだよ。でもさ、物語が進むにつれて視聴者である俺たちの脳内まで浸食してくる「不老不死の孤独」ってやつがマジでエグい。数百、数千年の時を生きる彼らにとっての「昨日」と「明日」の感覚が、人間という脆い器で生きている俺たちのそれとは根本から違うんだよね。
主人公フォスが少しずつ欠落していき、自分を構成するパーツを入れ替えていく様子は、まさにアイデンティティの剥離。最初はあんなに無邪気だったのに、経験という名の摩耗を重ねて、最後には「誰が元の自分なのか」なんて本人すら分からなくなる。この、積み重ねるほどに薄まっていく自己像の悲劇がさ、視聴者の心臓をギュッと握りつぶしてくるんだよ。石だから心臓はないはずなのに、画面越しに物理的な圧迫感を感じるの、本当に異常だと思う。
「永遠」という救いようのない停滞と、流れる時間がもたらす無情な変化。この二つの対比が、見る者に「人間であることの幸運」と「終わりのない苦行」のどちらを突きつけているのか、それさえ判別不能にさせられる。アニメとしての映像美の裏側に隠された、哲学的なまでの虚無感。見終わったあと、ふと鏡を見ると、そこに映っている自分が自分である保証なんてどこにもないんじゃないかっていう、根源的な不安に駆られる。もう二度と、何の憂いもなく夜空を見上げることはできないし、静止した石を見るたびに彼らの長い長い物語を思い出してしまう呪いにかかったわ。
宝石の国はアニメ勢も原作勢も全員等しく精神崩壊してる