今更だけど『鋼の錬金術師』を全巻読み返した。やっぱこの作品、別格すぎて言葉が出ないわ。少年漫画の皮を被った哲学書というか、人生で大切なことが全部詰まってる。何が凄いって、序盤の軽いノリから物語が進むにつれて、国家、宗教、科学、そして「命の対価」という重すぎるテーマへ自然とシフトしていく構成の緻密さ。伏線の回収とかいうレベルを超えて、全てのピースがカチリと音を立ててはまるあの快感は、他の漫画では味わえない体験だよな。
特にエドとアルが背負う十字架の重さと、そこから彼らがどう答えを出していくのか。最終話の「等価交換」に対するエドのあの結論、初めて読んだ時の衝撃と感動は今も鮮明に覚えてる。少年漫画らしい熱いバトルも最高なんだけど、それ以上にキャラクター一人ひとりの人間臭さがたまらない。強欲のグリードが最期に見せた表情とか、ヒューズ中佐のあのエピソードとか、思い出して泣けてくる。ご都合主義的な展開が一切なくて、全てのキャラが自分の意思で動いて、その結果として世界が回っていくあの密度。間違いなく一生モノの神作だわ。まだ未読の人がいたら、人生損してるから今すぐ読むべき。